KAIGO BLOG
〜いつも笑顔で〜
在宅介護

親(高齢者)が住居で転倒してしまった時の対処とは~誰でも簡単にできる方法

こんにちは、インテリアコーディネーターのエイコです。

今回は誰でも直面する、親(高齢者)が転倒してしまった時に住居をどのように修正したらよいか?を考えてみます。

高齢者用の家具を購入するとか、住居をリフォームしなければならないとか、大掛かりで費用のかかる方法ではなく、誰でも少しの費用で出来ることをお伝えします。

私の母と義母も転倒してしまった事は何度もあり、実際に対応してきたことも含まれているので参考にしてくださいね。


階段は代表的な転倒場所


高齢者でなくても、気を緩めてしまえば誰でも転倒してしまう階段。

特に古い住居は、急こう配な階段が多く、踏み面(ふみづら)が狭いため、足の裏全面で体重を乗せることが難しく、つま先あたりで昇り降りをしています。

階段での転倒は、他の場所とは違ってケガや骨折の状況がひどくなりがちです。

私の義母も2階にある一段の階段(大きな段差)で足が滑り、肋骨を3本骨折してしまいました。

●対処方法

一番の方法としては、2階や3階へと階段を使う生活からなるべく1階ですべてが済むようにすることです。

2階に寝室があるのならば、1階で空いている部屋へ移動、洗濯物や布団を干すなら庭や1階の日当たりのいい部屋にするなど、工夫ができるはずです。

私の義母も2階のベッドを1階の和室へ移動することで、なるべく2階を使わないようにしています。

それでも空間に余裕がなく、どうしても2階を使う必要がある場合は、階段の踏み面(ふみづら)にフェルト生地のような滑り止めシートを敷いたり、階段の壁に手すりを設けたりする必要があります。


ちなみに、階段の手すり設置は、要介護認定を受けている場合、レンタルが可能です。

また手すり設置工事の費用の一部を介護保険から負担できる制度もありますので、一度調べてみることをおすすめします。

和室と洋室の少し段差でも要注意


住宅の設計上、和室の床面(畳の面)は、洋室の床面より約3センチ程度、高くなっています。低い段差とはいえ、あまり注意を払わない場所だからこそ、この段差程度でもつまづいてしまうのです。

掃除の時に洋室から和室へと掃除機を進めると、どうしても引っかかって止まってしまいますよね。

それと同様に人にも同じことが起こってしまうんです。

●対処方法

和室と洋室の間の段差解消ができるアイテムがあります。

それは、小さなスロープの設置です。

「すり付け板」や「段差見切り」と呼ばれています。木材や金属や樹脂など様々な素材のものが販売されているので、段差の寸法をきちんと測って選ぶことが重要です。

浴室や洗面室の水廻りは典型的な転倒場所


どうしても床面に水濡れやせっけんの泡などが残ってしまうと滑りやすくなってしまいます。

昔の浴室の場合、システムバスでない限り、床はタイル貼りが多く、表面がツルツルしていて危険な状態です。

洗面所は、一般的に浴室と一緒に北側にあることが多く、日当たりが悪いため、水が床面に散ってしまうとなかなか乾きにくく、そのまま知らずに歩くと滑ってしまうこともあります。

●対処方法

浴室の場合、洗い場にすべり止めマットを敷いたり、シャワーチェアを設置して立ったままではなく、座ってできるような環境を整えるようにしましょう。

洗面室の場合は、バスマットを敷くのはもちろんですが、濡れた床をサッと拭けるようにモップなどを近くに置いたり、床に物を置き過ぎすぎて狭くならないよう気を付けましょう。


玄関や勝手口で無理な体制をして転倒


靴の脱ぎ履きは、高齢者にとってかなり大変な作業で、無理な体制をして転倒してしまうものです。

また、玄関床と室内床の高さの差が、階段以上の高さになっている家もあり、この段差も転倒の原因となってしまいます。

靴にも問題があると思いますが、少しでも安定した格好で靴の脱ぎ履きができる環境を整えたいですね。

●対処方法

一般的なのは、踏み台を置くことで玄関床と室内床との段差を小さくすることにより、昇り降りしやすくなります。

また壁には、縦手摺を設け、つかまり立ちしながらでも靴の脱ぎ履きを安定させるようにしたり、小さなベンチ(スツール)を設置して座りながら落ち着いて脱ぎ履きできるようにするなどの工夫があります。



何もない平らな床でも転倒


これは高齢になると起こってしまうことなのですが、歩き方に問題があります。

脚の筋肉が衰えて歩行が不安定になってくると、足先が上げづらく、すり足で歩くようになり、何でもない平面の床でつま先が滑ってしまい、転倒してしまうことがあります。

私の母は、このようなすり足で歩くことが長かったので、転倒をかなり繰り返していました。

●対処方法

この転倒は、床材が滑りすぎるなどの問題もありますが、床材自体を変更するのは、工事が発生して費用も大掛かりにかかってしまいます。

そこで床の上から手軽に張れるカーペット、タイルカーペットなら自分で張れることができますね。

そしてカーペットにすることで、再度転倒してしまった時でも、フローリングのような固い床よりクッション性があることで、骨折やケガが軽減されることでしょう。

私の母の転倒の対処もこのようにタイルカーペットを敷いて安全に過ごせるように工夫しました。

また、玄関マットやキッチンマット、ラグマットなどの敷物の裏側に滑り止めシートを挟むことも大切ですが、マットの端が少しでもめくれてしまっているようであれば、足を引っかけてしまう恐れがあるので、マットをはずしてしまいましょう。

まとめ


今回は、転倒してしまった時の対処方法についてお伝えしました。

いつかは起こってしまうであろう、親(高齢者)の転倒。

転倒してしまってから対処するのはもちろんですが、転倒を未然に防ぐために、事前にこのような対処をしておく事もとても大事だと思います。

私の母は、転倒を繰り返す度に顔に青あざをつくり、大変な思いをしました。

義母も段差からも転倒で、肋骨を骨折して長期間、ベッドからの起き上がりが厳しくなってしまいました。

このような経験をしてきたからこそ、皆さんにはなるべく同じ大変な思いをしてほしくないという思いで今回はお伝えしました。

一度、親御さんと一緒にお話ししてみてはいかがでしょうか。