こんにちは、インテリアコーディネーターのエイコです。介護やインテリア関係の記事を書いています。
今回は、高齢者にとってのペット存在や必要性について考えてみたいと思います。
私の義母は、現在83歳。
私の義母と私の夫の共同で、13年程前から犬を飼っています。1週間単位で実家と私の家で交代で面倒をみています。
犬の名前は「シナモン」
飼い始めた当時、義母は70歳で身体的には特に問題はありませんでした。しかし最近では足腰が弱くなり、シナモンの散歩中に引っ張られて転んだり、家の段差で転倒して段差のところに脇腹を打ち、肋骨を骨折してしまいました。
また、目は加齢黄斑変性で視野の中心が歪んで見える病気もかかえています。
このような身体状況の中で、犬の散歩は危ないし、身体的な負担が増えてしまうと心配になるのですが、一人暮らしの義母は、
「シナモンがいないと寂しいし、シナモンは生きがいだから」
といいます。
高齢者でなくてもペット好きの人には当たり前に思うことですが、冷静に考えてみて高齢者にとってペットを飼うことはとてもメリットがあるのではないか?逆にデメリットもあるのではないかと気になりました。
ペットの種類や大きさにもよるので、今回は犬を飼うということを前提に考えてみました。
高齢者がペット(犬)を飼うメリットは何か?
●毎日の散歩で、足腰を鍛えることができる
どこの健康情報でも、毎日少しづつでもいいから散歩をしたほうがいいと推奨していますね。少なくとも1日に2回以上は外へ出て歩かなければならないので、かなりの運動量になります。そして日光を浴びるとセロトニンが生成され、リラックス効果やストレス解消、睡眠の質を上げるなど期待ができます。
●生活のリズムが整う
子育てと同じように、犬の世話も毎日しなければならないことが増えますね。食事や散歩、トイレの世話などを規則的に毎日行うことで、規則正しい生活になります。また自分を必要とされることによって生活にハリが出てきます。
●ストレスが減少し、リラックス効果が期待できる
自宅で犬と一緒に過ごしている時や犬を散歩している時は、交換神経より副交感神経の波形のほうがより上昇していることが実験で実証されています。副交感神経の波形は、リラックスしている時に見られるものです。
●仲間ができたり、近隣の見守り体制に役立つ
毎日の犬の散歩をしていると、近所の人や同じく犬を散歩している人に、「こんにちは」とあいさつがかわせるようになり、自然と会話がはずみます。また近所の犬のコミュニティーにも参加できたりと仲間が増えることでしょう。そして何よりも住民同士のつながりも強くなって見守る体制が整って安心ですね。
高齢者がペット(犬)を飼うデメリットは何か?
●突如のケガや思わぬ病気で飼うことが困難になる
高齢者の場合、生活の中でも転倒で骨折してしまう確率が当然高くなります。また骨折の他にも病気が長引いて長期入院したりした場合、1人暮らしの高齢者は飼うことが困難になります。
●ペット(犬)より本人が先に亡くなる
高齢になって飼うと、本人が先に亡くなるケースが多いといいます。その場合、里親を探す必要がありますが、難しい場合、保健所へ持ち込まれて殺処分の対象になってしまうこともあります。
●ペット(犬)の高齢化で世話が難しくなる
人間と同様にペット(犬)が高齢になってくると、通常の世話から負担が大きくなっていきます。認知症になったり夜泣きがあったりしますので、通常より見守りがより大事になります。また食欲不振など、食事の面でもよりケアが必要です。
●ペットロスに苦しむ
亡くなったことにより、精神的な面では不安感や罪悪感を持ったり、孤独感が強くなります。身体的な面では、食欲不振や不眠や全身の倦怠感や鬱などの不調が出てきてしまいます。
高齢者がペット(犬)と暮らすときの注意点は?
これから飼おうと検討している人、現在一緒にペット(犬)と暮らしている人でも以下の内容を事前に考えてみれば、トラブルが少なくなることでしょう。
●生活環境が悪化しないように整える
ペット(犬)に対しても十分なケアが前もって必要となります。清潔を保たれていること、散歩やトイレなどのしつけができていること、望まない繁殖をさせないことなど、なるべく高齢者(本人)の負担が重くならない環境を整えることが大切です。
●世話ができなくなったときのことを考える
高齢が進み、体力が低下して健康問題が起こった時、自分で世話ができなくなった場合のことを事前に考えておきましょう。一時的な入院の場合は、ペットシッターやペットホテルでも問題ありませんが、長期的に世話ができない、これ以上世話ができないとなった場合は、家族や知人にあらかじめお願いしておくか、「ペット信託」を検討してみることをお勧めします。
最後に~ 一番大事なこととは?
高齢者(両親)が、ペット(犬)を飼いたい、一緒に暮らしたいと要望があるのなら、難しいと否定せずにまずは前向きに検討してあげてください。高齢になっても、自分がしたい、やりたいという思いがあるということはとても重要です。家族がその思いを大切にして協力することが、今後のご両親の生きがいにも多大な良い影響をあたえることでしょう。