こんにちは、50代インテリアコーディネーターのエイコです。
今回は、私の母の実情も含めてのお話です。
毎日健やかに施設で過ごしていた親御さんが、急に体調が急変したり、転倒したりすると、施設から連絡がきて、大抵は救急車で近くの病院へ搬送されていきます。
そして高齢者ということで、ほとんどは入院することとなります。
ある程度の軽度の病状や怪我で、短い入院期間であれば、体力も温存したまま元の施設に戻れることがほとんどですが、入院が長引けば長引くほど、人の動きが制限される分、体力が落ちてしまいます。
ましてや高齢になればなるほど、急激に体力が落ちてしまいますね。
そうなると、容体が安定しても体の状態から変わってしまって元の施設の介護や医療体制では難しいとなった場合、家族は次の段階を検討しなければなりません。
元の老人ホーム(施設)へ戻れなくなるケースとは?
他にも色々とあると思いますが、代表的なものを出してみました。
●新型コロナウイルスに感染し、後遺症などで具合が悪くなってしまった場合
●認知機能が低下してしまった場合
●転倒などで重度の骨折をしてしまった場合
●脳梗塞などで、身体が麻痺してしまった場合
●誤嚥性肺炎が続いている場合
元の老人ホームへ戻れないというケースは、その老人ホームの医療体制が完全に整っていないということがほとんどです。
民間の有料老人ホームの場合、高額の施設は医者や看護師が24時間体制になっていることがありますが、ほとんどの場合は、医者は常駐しておらず、看護師は昼間のみという施設が多いですね。
そうなると上記のように容体が変わってしまった場合は、元の施設へ戻るということは難しいということになります。
次の施設を探すにはどうしたら良いのか?
本人の意向を聞くことが勿論大事ですが、本人自体も体調が良くないままでは正常な判断が難しくなりますので、家族内で話し合うことが重要になってきます。
ただ、兄弟が多い家族などでは意見が割れることが多いことでしょう。
そこで入院している状態であれば、病院内で相談できる人がいるというのはご存知でしょうか。
それは、病院内に常駐している『医療ソーシャルワーカー』という方です。
『医療ソーシャルワーカー』とは、
(以下、厚生労働省ホームページより引用)
患者や家族に地域の公的窓口や医療・福祉機関を紹介し、必要なサービスを受けられるよう助言する。 地域社会における健康・医療サービスに関する情報を収集・提供する。 治療・介護計画に基づき、患者に生活面や医療費に関する助言をする。 家族からの相談を受け、家族の不安軽減や経済的問題への対応を支援する。
まずは、医療ソーシャルワーカーへ相談や介護についての悩み事を正直に話してみましょう。
そして勿論、経済的な費用のことも相談することもできます。
費用に余裕があれば、医療も看護師も整った老人ホームへ転院することは簡単に可能ですが、そうはなかなかいきませんね。
そこで、一例として、私の母がどのように転院することになったのか、次にお話します。
参考程度にして頂けたらと思います。
長期入院で誤嚥性肺炎になった私の母
私の母は、昨年に新型コロナウイルスに罹患して高熱になったため、救急車に運ばれて入院しました。
入院時は、熱が下がれば入所していた特別養護老人ホームへ戻れるだろうと思っていました。
しかし、2週間が経って熱が下がったものの少しづつ痰(たん)を詰まらせるようになり、夜も時々痰が詰まっていきました。
そして夜に痰が詰まってしまうことが、元の特養へ戻ることができない大きな原因となってしまいました。
なぜなら、痰の吸引は基本的に看護師さんにお願いしなければならないのですが、入所していた特養の看護師は、昼間のみの常駐だったからです。
当たり前ですが、全国ほとんどの特別養護老人ホームの看護師は、昼間のみの常駐なので、仕方がないと思います。
そしてそのまま入院が続き、今度はまた度々熱が出るようになってしまいました。
『誤嚥性肺炎』です。
食物を飲み込むことは出来るのですが、どうしても肺のほうにも少しづつ食物が入ってしまい、それが原因で熱が出てしまいました。
そうなると病院での治療は、「胃ろう」などの延命措置(治療)なのですが、それを受けるかどうかを家族で決めなければなりません。
私の決断は、前のブログでもお伝えしましたが、「胃ろう」などは行わず、自然な方法の措置をすることにしました。
『できる範囲の食事+末梢点滴』
この方法で約1か月が過ぎ、容体も安定していきました。
容体が安定したので、病院を早めに転院しなければなりませんでした。
そして私の母は転院しました〜「介護医療院」入所への手続き
容体が安定すると、退院することとなります。
なぜなら入院していた病院は、「第2次救急告示病院」だからです。
救急指定病院の種類は、第1次、第2次、第3次と3種類あります。
この中で第2次救急医療とは、手術や入院が必要な重症患者に対応する救急医療で、救急患者の初期診療、手術から入院に対応し、24時間365日体制で救急患者の受け入れを行っています。
つまり、救急を必要とする重症患者さん優先の病院なので、容体が安定した患者は、速やかに退院しなければなりません。
そこで、病院内の医療ソーシャルワーカーへ相談したところ、病院と介護の両方の機能を持つ、
『介護医療院』
を紹介していただきました。
『介護医療院』とは、
(以下、健康長寿ネットより引用)
介護医療院とは、2018年4月の第7期介護保険事業計画に則り、新たに法定化された施設です。 2017年度末で廃止となった「介護療養型医療施設」に代わり、長期的な医療と介護の両方を必要とする高齢者を対象に、「日常的な医学管理」や「看取りやターミナルケア」等の医療機能と、「生活施設」としての機能を提供できる施設です。
つまり、特養を始めとする医療機関が備わっていない老人ホームでの生活が難しくなった場合の次の施設が、この「介護医療院」なのです。
この施設は、「医療保険」「介護保険」両方が使用できるので、費用が民間の老人ホームより安いのが特徴です。
しかし私の住む東京では、まだまだこの「介護医療院」はとても少なく、現在(2023年2月)では、25施設しかありません。
そのため、病院から紹介頂いた「介護医療院」も入所の許可は出ましたが、11人の待機待ちです。
入所できるまでの間、待機できる病院へととりあえず転院しました。
介護や医療体制に対しての私の感想
このように、親の具合が悪くなっていくにつれて、その時の体の具合に合った施設や病院を選択することになります。
今までの私の母の介護からの体験から振り返ると、自分と母が支払える範囲の中で選択できて、満足のいく介護施設というのは、本当に少ないと思います。
特にここ東京は、土地の価格が高いという理由からか、看護師が24時間常駐という条件で探すと、施設費用は最低でも月々30万以上はかかります。
逆に、費用の安い特別養護老人ホームに申し込んだ時は、待機人数が600人以上と返信がきたところもありました。
単純に介護保険が使用できる、高齢者施設が不足しているということです。
特に東京は不足しています。
この現状に私は不満を持っています。
そしてさらに医療体制が整っている介護施設、『介護医療院』が不足しているため、通常の病院も高齢者の入院患者であふれている状況です。
病院の医療ソーシャルワーカーの方も同じような意見をおっしゃっていました。
東京は、買い物も交通も便利で快適な場所です。
しかし70歳や80歳になり、介護を受けなければならない状況になっていくと、東京は高齢者には厳しい場所となっています。
現在の介護や医療体制が変わらなければ、地方のほうが高齢者にとっては住みやすいのかもしれませんね。