こんにちは、インテリアコーディネーターのエイコです。
秋も深まり、段々と日が短かくなると、家や施設の室内も暗い雰囲気になりがちですね。
室内の明るさは、意外と気にされていないことが多いのですが、実は大切な事なのです。
適度な明るさではなかったり、間違った位置で照明を配置すると、見えづらくて不便だったり不意の事故が発生してしまいます。
●階段や床の段差が見えづらくて転倒してしまった
●明かりが眩しすぎて見えづらい
●明るい部屋と暗い部屋の明るさの差が激しくて見えづらい
このような状況を解決するためには色々を工夫が必要となりますので、お話していきますね。
目の老化を理解しましょう
次に掲げる項目は、代表的な目の老化現象となります。
- 老眼とは
視力は、50代以降になると急速に低下をしていきます。水晶体が少しづつ硬くなり弾力を失って、近くのものにピントが合わなくなる現象が老眼です
- 白内症とは
目の水晶体のタンパク質が酸化して増えていくと水晶体が白く濁ったり、黄変していく現象が白内症です。
- グレアとは
目の水晶体が白濁すると光が目の中で散乱して物が見えにくい状態になります。この不快感を感じる現象がグレアです。
階段や段差がある場合の照明の工夫
歳を重ねるとやはり階段や段差での転倒事故が多いので現在の明るさを今一度、確認して頂きたいところです。
実際に階段や段差の場所に立ってみて、自分の体が影になり暗くなっていないかを確認しましょう。
天井からの照明ですと、どうしても影になってしまうことが多くなってしまいます。
その場合は、壁面に設置するブラケット照明がおすすめです。
以下のイラストのように、横からの明かりなので、影になることはありません。
例えば、以下のような照明がおすすめです。
ブラケット照明の設置は、工事業者が行いますので、近くの工務店等へご相談してください。
明かりが眩しすぎる時の工夫
一般的に考えると、照明は明るければ明るいほうがいいと思われる方が多いかと思いますが、実はそうでもなかったりします。
歳を重ね、目の水晶体が白濁してしまうグレアという現象が生じてくると、光が屈折して拡散して見えるため余計、眩しさが増してしまいます。
眩しさを軽減する簡単な方法をここで2つご紹介します。
●光源が見えない照明器具を選ぶ
照明の光源である電球や蛍光灯が、見えない照明器具を選ぶのがポイントです。
例えば、下の写真のような半透明(乳白色)のカバーで覆われた器具を選ぶことにより、光が柔らかく均一となるので目への負担は軽減されます。
●調光&調色機能がある照明器具を選ぶ
明かりにとって大事なことがあります。
それは「色」と「明るさ」のどちらか1つではなく、両方同時に調整することです。
明るくて眩しい場合、調光機能を使って光を弱める事ができます。
さらに明かりの色をシーンによって使い分けることにより、より快適に過ごす事ができます。
暖かい色(電球色)→ 食事 寝る前
白い色(温白色)→ だんらん
青白い色(昼白色)→ 読み書き等
明るさの差を解消するには
明るさの差を解消することは大事なことです。
なぜなら、明るいところから暗いところ、暗いところから明るいところへ移動した場合、目が順応するのに一定の時間がかかり、歳を重ねると更に時間がかかるようになると、不慮の事故が起こったりするからです。
例えば、
歳を重ねると夜、トイレへ行く回数が多くなります。
暗い寝室から廊下の明かりをつけてトイレへ行くことになりますが、廊下やトイレが眩しすぎて、なかなか目が慣れず、見えづらい状態が続き、途中の廊下や用を足している最中に転倒する恐れがあるのです。
この問題を解消するには、廊下に足元灯を設置し、多少暗くてもトイレへ行ける明かりを確保するようにする事がポイントです。
またトイレ内の照明をほんのり点灯させる機能スイッチを使用することにより、眩しさを感じることなく用を済ます事ができます。
さらに加えて人感センサーでONとOFFが可能な機能があるスイッチがありますのでご参考ください。
(工事が必要となります)
下記のパナソニックのページを参照ください。
まとめ
今回は、高齢者に適する照明についてお伝えしました。
普段何気なく過ごしている室内ですが、勝手が悪かったり、不便を感じたりする事がいくつかあるかと思います。
その中で照明を工夫する事で解消される内容もあるかと思います。
秋も深まり、またコロナウイルスがまだ解決していない状況の中で、室内では少しでも快適に過ごすように心がけたいものですね。